手入れをやめた庭は、たった一年でずいぶん姿を変えます。

とくに京都の夏は、雨と日ざしで草木がいっせいに伸びる季節です。少し留守にしただけで、見違えるほど茂ってしまうことも珍しくありません。

「そのうち手を入れよう」と思っているうちに、庭は静かに手に負えないほうへと向かっていきます。放置した庭に何が起きるのかを知っておくと、どこで手を打てばいいかが見えてきます。

雑草は、抜いても抜いても戻ってくる

庭の悩みで、もっとも多いのが雑草です。

夏の雑草は成長が速く、根を残して抜くとすぐにまた生えてきます。地下茎で広がる笹や竹、つる性の植物は、地面の下でつながっているため、見えている部分だけ刈っても追いつきません。放っておくほど根が深く張り、あとで整えるときの手間が大きくなります。

だからこそ、茂りきる前の初夏から夏のあいだに一度手を入れておくことが、結局はいちばん楽な付き合い方になります。

伸びた草木は、敷地の外へ出ていく

庭の草木は、敷地のなかだけにとどまってはくれません。

枝はお隣の庭や道路へはみ出し、雑草は側溝や歩道へ広がります。落ち葉が雨樋や排水口にたまれば、水はけも悪くなります。

やっかいなのは、こうした「はみ出し」がご近所との関係にかかわってくることです。越えてしまった枝をめぐるやり取りは、思いのほか気をつかうもの。何も言われないうちに整えておけるかどうかで、その後の気持ちのやすらぎが変わってきます。

放置した庭は、虫と湿気を呼ぶ

風の通らない茂った庭は、虫の住処になりやすい場所です。

やぶ蚊や毛虫が増え、茂みの奥に蜂が巣をつくることもあります。地面をおおう茂みは湿気をため込み、家の基礎まわりや床下の湿気にもつながります。夏のあいだ手つかずのままだと、秋には足を踏み入れるのもためらう状態になりがちです。

庭の荒れは、庭だけの問題では終わらず、家の傷みにまで及んでいきます。

木は、大きくなるほど手放しにくくなる

庭木は、放っておけば毎年少しずつ育ちます。

小さいうちなら、剪定で形を整えるだけですみます。けれど数年ぶんの成長がたまった木は、事情が変わります。幹は太く、根は深く張り、隣家や電線に近づけば、切るにも足場や重機が要り、費用も手間もかさみます。「まだいいか」を重ねるほど、あとの負担は静かに大きくなっていきます。

とくに、いずれ家を空けるかもしれない庭ほど、木が小さいうちに整えておく意味は大きくなります。

手入れの「ちょうどいい間隔」を知る

庭とうまく付き合うコツは、伸びきる前に、こまめに手を入れることです。

  • 雑草は、茂りきる前に年に数回
  • 生垣や庭木は、樹種に合った時期に剪定する(適期は木によって違います)
  • 落ち葉の多い木は、季節の変わり目に雨樋まわりを確認する

すべてを完璧にやる必要はありません。ただ、「一年に一度も手が入らない」状態が続くと、庭は加速度的に荒れていきます。少しずつでも手が入っていれば、庭は驚くほど穏やかに保てるものです。

自分で手を入れるときに、気をつけたいこと

軽い草むしりや低い枝の剪定なら、ご自身でできることもあります。ただ、夏場の庭仕事には、注意したい点がいくつかあります。

  • 気温の高い時間帯は避け、こまめに水分をとる(熱中症に気をつける)
  • 蜂を見かけたら、下手に刺激せず、その場を離れる
  • 高い木の枝おろしや、チェーンソーを使う作業は無理をしない
  • 切った枝や草の処分方法も、あらかじめ決めておく

「これは自分では難しい」と感じたら、そこが専門の手に任せる境目です。無理をして怪我をしては、元も子もありません。安全にできる範囲を見きわめることも、庭と長く付き合うコツの一つです。

暮らしに合わせて、庭を整える

これからも手をかけて楽しむのか、負担を軽くして整えるのか。庭との付き合い方は、暮らしの変化に合わせて選べます。

一輪の「庭じまい」では、京都・長岡京を中心に、剪定・伐採・抜根から外構まで、庭の困りごとに一つずつ向き合っています。全部でも、気になる一本だけでも。まずは、お庭のことをお聞かせください。